「退職給付金の代行」は、制度自体は合法です。
ただし2026年6月時点、報酬を得て申請を代行できるのは社労士・社労士法人だけ。
注意すべきは一部業者の契約トラブルです。

SNSで「退職給付金がもらえる」って広告を見たけど、正直ちょっと怪しい…。



その警戒心は、正しい反応です。
仕組みと法律の線引きを知れば、安全な依頼先を自分で見分けられます。
「退職給付金の代行」は、会社を辞める手続きを任せる退職代行とは別物です。
本記事が扱うのは、給付金申請を支援するサービスのほうです。



申請を任せたら、料金はいくらかかるんだろう?



料金相場と費用対効果の考え方も、2026年6月時点の情報で整理しました。
この記事でわかること
- 退職給付金の正体(傷病手当金と失業保険)
- 「代行」が合法になる条件と法律の線引き
- 料金相場と費用対効果の考え方
- 悪質業者を見分ける契約前チェック3項目
- 無料の自力申請と依頼の使い分け
受給見込みの金額は、加入状況・年齢・賃金により一人ひとり異なります。
退職給付金サポートをめぐる相談は、全国の消費生活センターで1年で約2.4倍に急増しています(2026年6月時点)。



結論はシンプル。
制度は合法、注意すべきは一部の業者です。
見分ける基準まで、この記事で持ち帰れます。
社労士監修の観点から、合法性・料金・依頼先の選び方まで検証していきます。
現物を入手して確認済み






当編集部では、失業保険(基本手当)の金額や上限額を、東京労働局が窓口で配布する『離職された皆様へ』の現物と照合しています。数値は社会保険労務士の監修のもとで確認したものです。
※本記事の情報は2026年6月時点のものです。最新の制度内容は各公式サイト・各窓口でご確認ください。
退職給付金の代行は社労士なら合法


結論から。退職給付金は、傷病手当金と失業保険を指す業界用語です。
制度そのものは合法です。そして、報酬を得て申請を代行できるのは社労士に限られます。
退職給付金の正体は傷病手当金と失業保険
「退職給付金」は、法律上の制度名ではありません。
2つの公的給付を組み合わせて指す、通称です。
| 通称に含まれる制度 | 根拠 | 役割 |
|---|---|---|
| 傷病手当金 | 健康保険法にもとづく給付 | 病気やケガで働けない期間の生活保障 |
| 失業保険(基本手当) | 雇用保険法にもとづく給付 | 働ける状態で求職活動をする期間の生活保障 |



てっきり、公的な制度の名前だと思っていました…。



広告でよく見る言葉ですが、実体は2つの公的給付の組み合わせです。
注意点がひとつ。2つの給付は、同時には受け取れません。
働けない期間は傷病手当金、回復して求職中は失業保険。
役割が分かれており、順番に受給する関係です。
それぞれの申請手順は、当サイトの傷病手当金・失業保険の解説記事で詳しく整理しています。
制度は合法・問題は一部の業者
制度の利用自体は、適法です。
要件を満たす人が公的給付を申請することに、違法性はありません。
問題になっているのは、一部業者の広告表現と契約トラブルです。
実際に国民生活センターは、2025年12月3日に注意喚起を公表しました。
トラブルの中身と回避策は、「退職給付金の代行詐欺・悪質業者の見分け方」で詳しく整理します。
「そもそも怪しいサービスでは?」という疑問には、退職給付金の診断は怪しいのかを検証した記事で答えています。
退職代行サービスとの違い
検索結果には「退職代行」と「退職給付金の代行」が混在しています。
名前は似ていますが、目的も相手もまったく別のサービスです。
| 比較項目 | 退職代行 | 退職給付金の代行・サポート |
|---|---|---|
| 目的 | 会社を辞める手続きの代行 | 給付金申請の支援 |
| やり取りの相手 | 勤務先の会社 | 協会けんぽ・ハローワーク |
| 主な担い手 | 民間業者・労働組合・弁護士 | 社労士(代行)・民間業者(助言まで) |
本記事で扱うのは、表の右側にあたる給付金申請の支援です。
利用対象となる人の条件
代行やサポートの利用前提となるのは、給付側の条件です。
- 健康保険に継続して1年以上加入している(退職後に傷病手当金を受け取る場合の目安)
- 雇用保険に加入している(失業保険の受給に必要)
- 退職前(在職中)から準備を始められる(手続き上有利とされる)
傷病手当金を退職後も受け取るには、条件があります。
資格喪失日の前日まで、継続して1年以上の被保険者期間が必要とされています。
支給期間は、支給開始日から通算1年6ヶ月です。
詳しい要件は全国健康保険協会(協会けんぽ)の公式情報で確認できます。
在職中からの相談が有利とされる理由
退職日の設計と書類準備に余裕が生まれるためです。雇用保険の加入期間も、退職前に確認できます。
ただし、条件は個々の加入状況により異なります。
最終的な受給の可否は、協会けんぽやハローワークが個別に判断します。
では、なぜ「代行」は社労士に限られるのか。
法律の線引きを「退職給付金の代行が社労士に限られる理由」で確認していきます。
退職給付金の代行が社労士に限られる理由


結論はこうです。報酬を得て申請書類の作成・提出を業として行えるのは、社労士・社労士法人だけ。
根拠は、社会保険労務士法第27条にあります。
社会保険労務士法の独占業務


社会保険労務士法は、社労士だけができる仕事を定めています。
第2条第1項第1号から第2号に挙げられた業務です。
- 申請書等の作成(労働社会保険諸法令にもとづく申請書・届出書など)
- 申請書等の提出代行・事務代理(行政機関への提出や手続きを本人に代わって行う)
- 帳簿書類の作成(労務関係の帳簿書類)
傷病手当金や失業保険の申請書類も、この「申請書等」に含まれます。
そして第27条が、この線を守らせる条文です。
社労士・社労士法人でない者が、報酬を得てこれらの業務を行うことは禁止されています。
条文はe-Gov法令検索の社会保険労務士法で確認できます。
なお、第27条には但書があります。
他の法律に定めがある場合の例外で、弁護士は弁護士法にもとづき対応できる場合があります。
一方、無資格の民間事業者ができるのは、助言や指導などのサポート業務までです。
申請書類の作成・提出の「代行」は、依頼できません。



「代行」と「サポート」で、頼めることが法律で分かれているんですね。



そのとおりです。
この線引きを知ると、広告の文言から業者の実態を読み取れます。
「サポート」表記が多い理由
各社の広告をよく見ると、ある共通点に気づきます。
多くの民間業者が「代行」ではなく「サポート」「伴走」「支援」と名乗っている点です。
これは偶然ではありません。
社労士の独占業務に触れないよう、逆算された表記です。
この視点を持つと、広告文言だけで『その業者に何を頼めるか』を読み取れます。
| 広告の表記 | 読み取れる実態 |
|---|---|
| 「代行」+社労士・社労士法人の明記 | 法律上の代行を依頼できる |
| 「サポート」「伴走」「支援」 | 助言・進行管理まで(書類は自分で作成・提出) |
| 資格の記載なしで「代行します」 | 法的リスクの兆候・候補から外す |
とくに重要なのは、表の3行目です。
資格の記載がないのに「代行」をうたう業者は、かえって警戒すべきサインといえます。



「サポート」という言葉自体は、違法でも悪でもありません。
できる範囲を正直に示した表記、という見方もできます。
無資格業者に依頼するリスク
無資格業者に「代行」を期待しても、法律上はできません。
結局、書類は自分で書き、自分で提出する形になります。
高額な費用を払っても、受け取れるのは助言やマニュアルにとどまるケースが報告されています。
- 「全部任せられる」と思って契約したのに、実作業は自分持ちだった
- 費用に見合う内容か、契約前に確認できていなかった
- 解約を申し出たら、高額な違約金を求められた
こうしたトラブルの実態と回避策は、別の見出しで具体的に扱います。
相談データの推移は「退職給付金の代行詐欺・悪質業者の見分け方」で整理します。
では、適法な依頼先に頼むと費用はいくらかかるのか。
続けて「代行・申請サポートの料金相場」で確認していきます。
代行・申請サポートの料金相場


料金の中心は2系統。着手金+成果報酬10〜15%型と、一括20万円前後型です(2026年6月時点)。
社労士へのスポット依頼なら、2〜5万円程度が目安とされています。
着手金+成果報酬型の相場
民間サポートの料金体系は、大きく2つに分かれます。
| 料金体系 | 内容(2026年6月時点の例) |
|---|---|
| 着手金+成果報酬型 | 着手金に加え、受給額の10〜15%程度を成果報酬として支払う |
| 一括支払い型 | 20万円前後の定額をまとめて支払う |
注意したいのは、成果報酬型の実額です。
受給額が大きいほど手数料も膨らみ、数十万円規模になることがあります。
成果報酬型の手数料と実際の手残りがどの程度になるかは、受給額の10〜15%を手数料とするサービスの手残り検証で具体的に確認できます。





広告では「着手金だけ」で済むように見えたのですが…。



そこが落とし穴です。
着手金だけを強調し、成果報酬が見えにくい表示はトラブルの元になります。
契約前に『総額がいくらになるか』を必ず確認してください。成果報酬の割合と上限の有無がチェックポイントです。
料金は改定される可能性があります。
契約前に、各社の特定商取引法にもとづく表記ページで総額を確認するのが確実です。
社労士・弁護士に頼む場合の費用
社労士へのスポット依頼は、2〜5万円程度が目安です(2026年6月時点の相場感)。
傷病手当金や失業保険まわりの手続きを、単発で依頼する場合の水準です。
| 依頼先 | 費用構造 | 特徴 |
|---|---|---|
| 社労士(スポット依頼) | 定額(2〜5万円程度が目安) | 受給額に連動しない |
| 民間サポート(成果報酬型) | 受給額の10〜15%程度+着手金 | 受給額が増えるほど手数料も増える |
| 弁護士 | 事務所により異なる | 会社との交渉が絡む場合の選択肢 |
定額か、受給額連動か。費用構造の違いが比較の軸になります。
弁護士の使いどころは、「社労士・弁護士・民間サポートの比較」で詳しく整理します。
費用対効果の判断基準
判断の起点は、ひとつです。
『自分で申請すれば無料』という選択肢が、常にあります。
そのうえで、費用を払う価値があるかを考えます。
条件を固定した計算例
月収30万円・社会保険加入1年以上の人が、傷病手当金を通算1年6ヶ月受給する見込みのケースです。
- 傷病手当金の支給額は給与のおよそ3分の2(月20万円程度)
- 1年6ヶ月の総受給見込みは360万円程度
- 成果報酬15%なら、手数料は約54万円
同じ手続きでも、社労士のスポット依頼なら2〜5万円程度です。
費用構造の違いは、ここまで大きく出ます。
※実際の支給額・期間は、加入状況や審査により個々に異なります。



それでも依頼を検討してよいのは、お金より負担の軽さを優先したい場面です。
- 体調面で書類準備の負担が大きい(心理的・体力的に余裕がない)
- 在職中で時間が取れない(窓口の開庁時間に動けない)
- 退職日と申請タイミングの設計に不安がある(条件判断が複雑)
サポートを使っても、給付額や給付日数は増えません。支給内容は受給者本来の要件で決まり、行政機関の審査により認定されます。
依頼先ごとの向き不向きは、「社労士・弁護士・民間サポートの比較」で整理します。
ただ、その前に持っておきたいのが、避けるべき業者を見分ける目です。
「退職給付金の代行詐欺・悪質業者の見分け方」で、具体的に確認していきます。
退職給付金の代行詐欺・悪質業者の見分け方


相談件数は急増しています。2025年度は10月31日までで216件。前年同期の約2.4倍です。
ただし、トラブルは3つの類型に集約されます。契約前チェックで回避は可能です。
相談件数の急増とトラブル3類型


まず、データから見ていきます。
国民生活センターは2025年12月3日、退職給付金サポートへの注意喚起を公表しました。
全国の消費生活センターに寄せられた、相談件数の推移です。
| 年度 | 相談件数 |
|---|---|
| 2021年度 | 42件 |
| 2022年度 | 54件 |
| 2023年度 | 113件 |
| 2024年度 | 217件 |
| 2025年度(10月31日まで) | 216件 |
※出典:国民生活センター公表資料(2025年12月3日)・2026年6月時点の確認。2024年度の同時期(10月31日まで)は90件です。
2025年度は半年あまりで、『前年同期の約2.4倍』に達しました。



ここまで増えているとは…。他人事ではないですね。



相談の中身は、大きく3つの類型に分かれます。
- 期待した給付金が受け取れず、サポート費用が払い損になった
- 解約を申し出たら、高額な違約金を請求された・解約を拒否された
- 症状がないのに、特定のクリニックでの受診やうつ病診断を受けるためのマニュアルを示されるなど、不正受給を促すかのような誘導をされた
国民生活センターは、給付が保証されているわけではない点にも注意を促しています。
失業保険の支給可否は、あくまで行政機関の審査で決まるためです。
なお、この注意喚起は業界全体に向けたものです。
特定の業者を名指ししたものではありません。
不正受給につながる勧誘の手口
3類型の中でも、とくに危険なのが3つ目です。
精神的な不調がないのに、受診や診断書の取得を指示される勧誘です。
応じてしまうと、不正受給に該当するおそれがあります。その場合にペナルティを受けるのは、勧誘した業者ではなくあなた自身です。
不正受給と判断されると、受け取った給付の返還命令などの対象になり得ます。
広告表現にも、警戒シグナルがあります。
- 「誰でも」受給できるとうたう
- 「必ず」もらえると断言する
- 「受給額が増える」と訴求する
給付は行政機関の審査で決まります。
この制度の性質と矛盾する広告は、それだけで距離を置く理由になります。



すでに勧誘を受けて不安な方へ。
消費者ホットライン188(いやや)か、最寄りの消費生活センターに相談できます。
契約前に確認する3つの項目


では、契約前に何を確認すればよいのか。
チェック項目は、3つに絞れます。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 1. 運営者情報 | 運営会社・所在地・社労士や弁護士の関与の有無・実績の開示 |
| 2. 料金 | 総額・成果報酬の割合・着手金の扱いが特定商取引法の表記ページに明記されているか |
| 3. 解約条件 | クーリングオフの可否・中途解約時の違約金の有無と金額 |
この3項目に、法律の線引きを組み合わせると精度が上がります。
「『サポート』表記が多い理由」の視点で、無資格なのに「代行」をうたう業者を外せます。
契約画面を前に迷ったら
運営者・料金総額・解約条件。この3点だけでも、その場で確認できます。
チェックを通過した依頼先の中で、誰に頼むべきか。
「社労士・弁護士・民間サポートの比較」で、状況別に整理していきます。
社労士・弁護士・民間サポートの比較


依頼先は、状況で変わります。
申請代行まで頼むなら社労士、会社との交渉が絡むなら弁護士、伴走中心なら民間です。
| 依頼先 | 頼める範囲 | 向いている状況 |
|---|---|---|
| 社労士・社労士法人 | 申請書類の作成・提出の代行まで | 手続きを任せたい・条件判断が複雑 |
| 弁護士 | 会社との交渉+手続き(対応できる場合あり) | 未払い賃金やハラスメントなど争点がある |
| 民間サポート | 助言・進行管理まで | 書類は自分で書けるが伴走がほしい |
それぞれの向き不向きを、順に見ていきます。
社労士が向いているケース
申請書類の作成・提出まで任せたいなら、選択肢は社労士・社労士法人です。
報酬を得てそれを業にできるのは、法律上この資格者だけです。
条件判断が複雑なケースでも、専門家の確認が活きます。
- 健康保険の加入期間が1年ぎりぎりで、退職日の設計が結果を左右する
- 休職と退職が絡み、傷病手当金から失業保険への切り替え時期が読みにくい
- 書類の不備で差し戻しを受けた経験がある



本当に社労士かどうかは、どう確かめればいいですか?



依頼時に、社会保険労務士証票や登録の確認ができます。
事務所サイトの登録番号表記も目安になります。
弁護士が向いているケース
会社との争いごとが絡むなら、弁護士の領域です。
- 未払い賃金・残業代を請求したい
- ハラスメントの責任を問いたい
- 退職条件そのものを交渉したい
弁護士は弁護士法にもとづき、社会保険の手続きに対応できる場合もあります。
ただし、給付金申請のサポート単体では費用が割高になりやすい構造です。
交渉あっての選択肢、と考えるのが現実的です。
民間サポートが向いているケース


『書類は書けるが、進め方に伴走がほしい』。
そんな人に合うのが、民間サポートです。
何をいつ、どの順番でやるか。進行管理の相談相手として使う形です。
民間業者に頼めるのは、助言・指導などのサポートまでです。申請書類の作成・提出の代行はできません。
選ぶ場合の前提は、「契約前に確認する3つの項目」を満たしていることです。
運営者・料金総額・解約条件の3点です。
一例として、社労士監修で運営者情報と料金を開示している退職スマイルがあります。
本記事の契約前チェック基準を満たす相談先の、ひとつの例です。
気になる場合も、まず特定商取引法の表記ページで総額と解約条件を確認。
自分の目で確かめてから検討するのが安全です。
ここまで、依頼する場合の選び方を整理しました。
そもそも頼まない、という選択肢もあります。
「退職給付金はハローワーク等で自力申請可能」で、無料のルートを確認していきます。
退職給付金はハローワーク等で自力申請可能


傷病手当金は協会けんぽ、失業保険はハローワーク。どちらも無料で申請できます。
しかも2025年4月から、自己都合退職の給付制限は原則1ヶ月に短縮されています。
ハローワークと協会けんぽは無料
窓口は、制度ごとに決まっています。
| 制度 | 窓口 | 相談・申請の費用 |
|---|---|---|
| 失業保険(基本手当) | ハローワーク | 無料 |
| 傷病手当金 | 協会けんぽ(または加入する健康保険組合) | 無料 |
手続きの案内は、ハローワークインターネットサービスと協会けんぽの公式サイトで確認できます。
制度の建前としては、窓口で手続きの方法を教えてもらえます。
ただし、実態には少し注意が必要です。
混雑する窓口では、一人ひとりの事情を掘り下げる時間は限られます。
自分の状況の整理は、事前に済ませておくのが現実的です。
国民生活センターも、不明点は管轄のハローワークへ問い合わせるよう案内しています。
自力申請でつまずきやすい点
支援機関として多くの相談を受ける中で、つまずきやすい点は共通しています。
- 退職日と申請タイミングの関係(退職日の決め方しだいで、退職後の継続給付の可否が変わる)
- 書類の準備順序(医師の意見書など、受け取りまで時間がかかる書類が後回しになる)
- 在職中にやるべき手続きの漏れ(退職後に気づいても、さかのぼれない場合がある)



知らないまま退職していたら、危なかったかもしれません…。



逆にいえば、事前に知っていれば自力で回避できるポイントばかりです。
つまずきの多くは、知識の問題です。
「だからサポートが必要」という結論に、直結するものではありません。
自分で申請する場合の手順とつまずきやすい所は、退職前後の給付金を自分で申請する方法の記事で具体的に確認できます。


2025年4月改正による給付制限の短縮
自力申請を後押しする、制度改正もありました。
2025年4月1日以降、自己都合退職の給付制限は『原則1ヶ月』です。
従来の2ヶ月から短縮されました(2026年6月時点の現行制度)。
給付制限とは
自己都合退職のとき、待期7日のあとも給付が始まらない期間のことです。
例外もあります。
5年以内に3回以上の自己都合退職があると、給付制限は3ヶ月になります。
さらに、厚生労働省が定める教育訓練を受講すると、給付制限は解除されます。
離職前1年以内または離職後の受講が対象で、待期7日のみで受給を始められます。
失業保険を受けながらスキルを整え直す、職業訓練の活用も選択肢のひとつです。



サポートを使わなくても、受給開始までの期間は以前より短くなっています。
制度の詳細は、厚生労働省の案内が一次情報です。
最新の取り扱いは、ハローワークで確認してください。
サポート利用が向いている人
ここまでの整理を、ひとつの対比に落とし込みます。
- 体調と時間に余裕があり、窓口に出向ける
- 加入期間などの条件がシンプル
- 書類の準備を自分で進められる
どちらを選んでも、給付の可否・金額は行政機関の審査で決まります。依頼の有無で結果は変わりません。
残る細かい疑問は、「退職給付金の代行に関するよくある質問」でまとめて回収します。
退職給付金の代行に関するよくある質問
退職給付金の代行でよくある違法性・料金・解約の疑問に、社労士監修の観点から簡潔に回答します。
- 退職給付金の代行は違法ですか?
-
制度の利用自体は合法です。報酬を得て申請書類の作成・提出を代行できるのは社労士・社労士法人に限られ、弁護士は例外的に対応できる場合があります。無資格の業者に頼めるのは助言までです。法的な線引きは「退職給付金の代行が社労士に限られる理由」で解説しています。
- 退職給付金の代行の料金はいくらですか?
-
2026年6月時点の目安では、着手金+成果報酬10〜15%型と一括20万円前後型が中心です。社労士へのスポット依頼は2〜5万円程度。契約前に特定商取引法の表記ページで総額を確認してください。相談先によっては、受給見込みの無料診断から始められます。
- 代行を頼めば給付金は必ず受け取れますか?
-
受け取れるとは限りません。支給の可否はハローワークや協会けんぽなど公的機関の審査で決まり、業者が介在しても給付が保証されたり増額されたりすることはありません。「必ず受給できる」とうたう広告には警戒が必要です。
- 退職給付金の代行は在職中でも頼めますか?
-
在職中からの相談・依頼は可能です。むしろ退職前に準備を始めるほうが手続き上有利とされています。書類の用意や退職日の設計に余裕が生まれるためです。退職を決める前の段階でも、情報収集として相談できます。
- 契約した業者を解約できますか?
-
解約の可否は契約内容(解約条項やクーリングオフの適用)によります。解約を拒否されたり、高額な違約金を請求されたりするトラブルも報告されています。困ったときは消費者ホットライン188や最寄りの消費生活センターに相談できます。事前の確認点は「契約前に確認する3つの項目」を参照してください。
- 給付金が受け取れなければ返金されますか?
-
返金の有無や条件は、各社の契約条件によります。契約前に返金規定を必ず確認してください。「全額返金保証」とうたう場合も、適用条件が定められているのが通常です。
- 退職後からでも相談できますか?
-
退職後でも相談・申請できる場合があります。ただし傷病手当金を退職後も受け取るには、在職中の加入期間や退職時の状態が関わるため、退職前の確認が望ましいです。不明な場合は協会けんぽやハローワークで無料で確認できます。
最後に、依頼前の判断を「退職給付金の代行を依頼する前の最終確認」でまとめます。
退職給付金の代行を依頼する前の最終確認
依頼前の確認は3点。運営者・料金総額・解約条件です。
そのうえで、自力申請か信頼できる相談先かを、自分の状況で選びましょう。
自力申請か依頼かの判断基準
本文全体の判断材料は、ひとつの分岐に集約できます。
『時間と体力があり、条件がシンプル』なら、自力申請(無料)で進めましょう。
一方で、無理をする必要もありません。
負担が大きい・条件が複雑なら、社労士か、契約前チェックを満たすサポートに相談する道があります。
どちらを選んでも、給付の可否と金額は公的機関の審査で決まります。
この前提だけは、最後にもう一度お伝えしておきます。
相談から受給までの流れ
依頼する場合の一般的な流れは、4ステップです。
加入期間・体調・退職時期などの状況を伝え、頼める範囲と費用の説明を受けます。
運営者・料金総額・解約条件の3項目を確認してから契約します。
必要書類を整え、協会けんぽやハローワークに申請します。
公的機関の審査を経て、認められた場合に受給が始まります。
各制度の具体的な手順は、当サイトの傷病手当金・失業保険の解説記事で確認できます。
契約前チェックを済ませた人の次の一歩は、無料相談です。
相談先の例は、「民間サポートが向いているケース」で紹介した退職スマイルです。
もちろん、社労士事務所への直接相談やハローワークでの確認から始めても構いません。
在職中にやるべき準備
在職中の人が今日からできる準備は、3つあります。
- 社会保険の資格取得年月日を確認する(保険証や加入記録で、加入1年以上かの目安がわかる)
- 就業規則と給与明細を手元に揃える(退職手続きと給付額の確認に使う)
- 体調不良がある場合は受診記録を整える(傷病手当金の申請で必要になる)



これなら、退職を迷っている段階でも動けますね。



準備が早いほど、選べる道は増えます。
焦らず、確認から始めてください。
- 退職給付金=傷病手当金+失業保険 → 制度自体は合法
- 報酬を得た申請代行 → 社労士・社労士法人だけ
- 契約前チェック → 運営者・料金総額・解約条件の3点
- 自力申請 → 協会けんぽ・ハローワークで無料









