2022年04月22日
外部研修
初めて外部研修会社を利用する際に気を付けたいこと
目次
「社員研修」と一口に言っても、その研修の目的や対象者によって様々なバリエーションがあるため、どのように研修を組むべきか悩むご担当者様も多いのではないでしょうか。最近では外部研修会社も増えており、社員研修を外部に委託して実施する企業も増えています。ここでは、外部研修会社を初めて利用しようと思っているご担当者様に向け、どのようなポイントで選ぶべきか、そのポイントや注意点についてお伝えします。
「社員研修」の種類と内容について
社員研修には様々な種類があります。まずは「社員研修」の種類とそれぞれの内容について、簡単に2つに分けてご紹介いたします。
①階層別研修
まずは、階層別に行われる研修です。代表的なものとしては、全社員、新入社員、中堅社員、管理職、役員と言われいてます。
例えば、全社員研修では企業の経営方針や新しいシステムやサービスの導入についてなど、社員全員が知っておくべきことを共有します。
新入社員研修では、ビジネスマナーや基本的な社内ルールの教育、その他経営理念の定着や社員同士のコミュニケーションを図る場として欠かせません。
管理職候補であり、入社して数年経った社員が受ける中堅社員研修では、モチベーションマネジメントや課題解決力を育てる内容など、管理職を見据えた内容が組まれることが多いです。
管理職研修は、部下の育成やチームマネジメント、コーチングや生産性向上などの内容に加え、ハラスメントに関する研修などが中心となります。
役員研修は、企業が属する業界や業種の今後の見通しや、経営戦略の構築などの内容が設定されます。
②職種別研修
職種別研修とは、事務職、営業職、マーケティング職、エンジニア職、経理職など職種ごとに必要な知識やスキルを学ぶ研修のことを指します。
例えば、事務職にはエクセルやワードなどのツールに関する研修や来客対応のためのビジネスマナーやおもてなしの研修、営業職には昨今の状況を踏まえオンライン営業のスキルを学ぶ研修、経理職には税務や経理、場合によっては簿記に関する研修を実施するなど、職種別に求められる様々な知識やスキルを学ぶための研修です。
外部研修とは
階層別研修や職種別研修で挙げた様々な研修を、全て社内研修で実施することは可能でしょうか。途方もない時間と労力がかかる他、社内の人材では実施が難しい内容もたくさんあり、まず無理でしょう。そこで、研修の目的や内容に応じて利用するべきが外部研修です。
外部研修とは、外部研修会社に委託して行う研修を指します。登壇する講師はその分野のプロや専門的な知識を持ち合わせた人が担当するため、社内にはない知識やノウハウを短期間で学ぶことが出来、より効果的な研修を実施することが出来ます。また、昨今急激に需要が高まっているオンライン研修や、大人数に対して実施する研修など、内容に限らず研修の規模や形態によってもプロの手を借りた方がスムーズに進めることが出来る場合もあります。
外部研修を利用するメリット・デメリット
それでは、外部研修を利用する際のメリットとデメリットをご紹介いたします。
<メリット>
①社内にはない知識やノウハウ、思考などをその分野のプロから学ぶことが出来る。
外部研修を利用する大きなメリットが自社では学ぶことの出来ない知識やノウハウ、思考などをその分野のプロから学ぶことが出来ることです。また、プロならではの話術によって受講者の理解度が高まったり、社内にはない客観的な視点からのフィードバックを受けることで受講者に新たな気づきが生まれたりといった効果も期待できるでしょう。
②社内研修を行うにあたり必要な労力や時間などの負担が軽減される。
社内で研修を行うと、資料の作成や研修内容の考案など担当者の負担が大きくなります。また、開催準備に時間も要すため、繁忙期にはなかなか研修を実施することが出来ません。その点、外部に委託すればそのような手間や労力が必要ないため社内業務の負担を大幅に軽減することが出来ます。研修プログラムも多種多様なものが準備されているため、自社に合った内容を選択さえすれば繁忙期でも開催が可能です。
<デメリット>
①費用がかかる
外部研修は、社内研修を行うよりも費用がかかります。そのため、研修期間や受講者の人数など様々な面から研修にかける費用を検討する必要があります。費用の設定は外部研修会社によって様々で、研修のテーマや所要時間、受講人数、講師などによって決まることが多いです。
②自社の社風や、求める内容を実施してくれる外部研修会社を探すのが難しい
外部研修会社は、自社の現状や課題を把握しているわけではありません。そのため、自社が求める研修と実際に行われる研修の内容にズレが生じることがあります。そうなると、もちろん期待する効果は得られません。そのような結果にならないよう、研修を外部に委託する際には自社の課題や研修に求める効果など、事前にしっかり打ち合わせをすることが大切です。
外部研修会社を選ぶ前に実施しておくべきこと
それでは、外部研修会社に研修を委託する前に、事前に自社内で準備しておいた方が良いことをお伝えします。
①自社の現状と課題を把握する
研修を実施する前に、まずは自社の現状と課題をしっかり把握しましょう。社内で何か問題があったり改善するべき点がある場合、その問題の原因を分析することが大切です。例えば、「若手社員の仕事の効率が悪い」といった課題があった場合、その原因が「若手社員側」にあるのか「指導する上司側」にあるのかをまず考えましょう。原因が「若手社員側」にあるならば、「指導を受ける姿勢」「ツールを使いこなせていない」「仕事をする環境」など、要因は色々と考えられます。また、原因が「上司側」にあるならば、「部下のマネジメント力」なのか「コミュニケーションの取り方」なのか、といったようにその原因となるものを深堀していくことが大切です。それによって、組むべき研修も異なってきます。
②研修の目的と求める効果を明確にする
研修を実施する際は、必ずその研修の目的を決めましょう。目的のない研修は、受講者もなんとなく参加するだけになってしまい、効果も得られにくいためとても勿体ない結果に終わります。そのため担当者は、受講者が研修を受けた後にどうなってもらいたいかを考え、その目的と求める効果を外部研修会社に伝えることが大切です。
また、受講者に対してもその研修がどのような意図で行われているのかを理解してもらうことも重要です。予め研修の意図を伝えることで、受講者の研修に対する意欲が高まったり、研修で学んだ内容をどのように職場で活かすかを考えやすくなり、より効果が出やすくなります。
③研修の対象者と人数
次に、研修の対象者を決めます。階層別研修のどこかに盛り込む場合は、必然的にその階層の社員全員が対象者となりますが、そうでない場合は対象者をある程度絞り込んで実施することが出来ます。対象者の人数によって、グループワークやディスカッションなど出来る内容と出来ない内容が出てきますので予め決めておいた方が良いでしょう。
④予算
最後に予算です。外部研修会社によってその値段は異なります。予算に応じて、実施時間や実施内容が異なるため、予め大体のイメージを持っておきましょう。
ここまで準備が出来たら、いよいよ外部研修会社の選択です。ホームページなどを見て自社の求める研修を実現してくれる研修機関を探します。
外部研修会社を利用する際に気を付けたいこと
それでは、どのようなことに気を付けて外部研修会社を選択すればよいでしょうか。ここではそのポイントとして2つご紹介します。
①自社に合わせた研修内容を相談出来るか
外部研修会社を利用する際に大事なポイントの一つ目は、自社に合わせて研修内容を相談出来るかどうかです。まず、担当者は自社の現状や課題、研修の目的や求める効果などをしっかり伝えます。その上で、数ある研修内容や研修方法の中から自社に合うものをカスタマイズ出来るのか否か、です。例えば新入社員研修に向けて「ビジネスマナー」の研修を行う場合、わざわざカスタマイズを行う会社は少ないと思います。しかし、自社の課題を改善するために取り入れる研修の場合は、自社に合う内容を実施してもらう必要があります。一般的にカスタマイズを行うと費用面が膨らむと言われていますが、予め決められた研修プログラムの内容が自社の求める内容とズレが生じる場合は、有意義な研修にするためにもある程度自社に合わせてカスタマイズが出来るかを相談するべきでしょう。
②研修を実施する講師が自社に合うか
ここまで、研修内容や費用面などについて述べてきましたが、とはいっても研修は人が行います。最終的に研修会社を決めるポイントとしては、実際に研修を実施してくれる講師の雰囲気や話し方が自社の雰囲気と合っているかです。研修会社の中には、事前の打ち合わせは営業担当が行い講師は当日初めて面会するということも少なくありません。しかし、いくら研修内容が素晴らしいものであっても、講師の考え方や話し方、そもそも講師の持つ雰囲気や人柄が自社と合わない場合、受講者の意欲を損なうだけでなく研修の効果も半減します。そのため、打ち合わせの段階で実際に研修を行う講師と直接話し、研修を依頼するかどうかを見極めてください。
まとめ
外部研修会社に研修を委託する際のポイントや気を付けたいことについてイメージはつきましたでしょうか。研修には様々な種類や目的があり、一概にこれが正しい!というものはありません。迷った際は、一度研修会社の話を聞いてみると良いでしょう。是非、上記の内容を参考にしていただき、自社に合った研修会社を選択してください。