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2022年11月07日

企業研修

企業研修において欠かせない重要な3つの項目

企業研修において欠かせない重要な3つの項目

目次

企業研修におけるマネジメント


マネジメントとは、企業が組織の成果を上げるために経営資源(ヒト・モノ・カネ)を効率的に活用し、リスク管理のもと「目標」の達成を目指すことです。

マネジメントは「経営」や「管理」を意味し、これがビジネスシーンに転用されました。現在の企業におけるマネジメントとは、「経営管理」や「組織運営」といった意味となります。

なぜ、企業にはマネジメントが必要なのでしょうか。それはマネジメントが企業の持続的な発展に欠かせないからです。企業研修では、マネジメントにおけるポイント3点を押さえた研修を行いましょう!

・組織を発展させるために、既存人材の能力を発揮する活躍の場を与える。

・組織が果たすべき目標を把握し目標達成のための組織運営を実施する。

・従業員を、成果を最大化できるような人材に育成する。

また、企業・組織は「社会貢献」を行うことも重要です。

自社の業績向上を目指すだけでなく、マネジメントを通して「社会貢献」することが組織の責任でもあるのでその施策も考えていきましょう。

今回はマネジメントについて、今時の若者に効果的なマネジメント法と新人研修の重要性をお話しします。まずはマネジメント法について3つご紹介します。

マネジメント手法


1.キャリアデザインレインボー

キャリアデザインには、各個人の仕事をする社員としてだけでなくプライベートも含めて、虹色のように多種多様な役割を持っている「ライフキャリアレインボー」という考え方があります。

キャリア=「仕事」と考えがちですが、年齢を重ねるに連れて結婚や出産、育児など人生において主軸となる出来事が増えてきます。

そのため、キャリアデザインを描く中で仕事上のことだけで考えてしまうのは効果的ではなく、プライベートも踏まえて理想の姿を上司と部下で作り上げていく。このような人材育成のマネジメント手法が現在求められています。

2.ゴールデンサークル理論

ゴールデンサークル理論とは、マーケティングコンサルタントであるサイモンネック氏が提唱したマネジメント手法です。

これは、「Why:なぜ」「How:どうやって」「What:何を」の順で想いを伝えることで、相手からの共感を得ることができるというもので、マネジメントの方法としても注目を集めています。

日々の業務でWhyを深掘りすることができておらず、HowやWhatに焦点を当ててしまいがちではないでしょうか。人を育成する上で大切なことは「Why:なぜ」を確認した上で指導することです。

どうしてその方法や手段に行き着いたのかをはじめに確認することで、HowやWhatに問題があった際に、どこで誤った考え方をしてしまったかがすぐに判断できます。

また、「なぜ」は部下の感情が入り込む部分でもあるため、指導される側も自分の考えを尊重してくれる上司と認識してくれるのです。組織の人間関係も同時に築けるマネジメント手法です。

3.Will・Can・Mast

旧来型のマネジメントは「Will:どうなりたい」だけを聞くことが多いですが、今時の若者は特に何がやりたいという訳ではない傾向にあります。自分の能力を活かす仕事をしたいと思っている人もいれば、自分の能力開発に繋がる仕事をしたいと思っている人もいるかもしれません。

また、期待されることが重要で、やりたいことは特にないという人もいます。そのため、目標設定時などに各メンバーの志向性や特徴を正しく把握し、Will・Can・Mustのバランスを適切に設定することがマネジメントをする上で重要です。

・Willは本人の意思・やりたいこと。
・Canは本人の能力。
・Mustは期待する業務・ミッション。

このバランスが崩れることで自分のやりたいことができない、と感じてしまったり期待されていないと悲観的になったりしてしまいます。組織全体で同じ方向を向いて一緒に仕事を行うためにも、このマネジメント手法はおすすめです。

ここまでマネジメントの重要性をお伝えしてきました。一般的にマネジメント研修は、管理職の育成のために行われます。マネジメントにおける「部下の育成スキル」「組織を形成・強化するスキル」「経営スキル」の3つは非常に重要です。

そこにプラスアルファで新人視点のマネジメントも取り入れていくと、さらに組織の団結力がアップします!ここからは新入社員研修についての具体的な例を含めてご紹介いたします。

引用:https://schoo.jp/biz/column/314#section01
引用:https://www.hrpro.co.jp/series_detail.php?t_no=2318

企業研修における新人社員研修


新入社員研修とは業務に関する基礎的な知識を身につけるだけでなく、社内での自分の役割を把握してもらう目的を持ちます。

マイナビ研修サービスが2022年入社の新入社員4,306名を対象とした意識調査を実施していました。結果としては2022年度の新入社員は、学生生活の半分以上の時間がコロナ禍の影響を受けており、学業、部活・サークル、アルバイトなどを通して対面で人と関わる機会が不足しているといえます。勉強はしているが、人に会えない状況でリアルな経験が少なくなってしまった実態が明らかになっています。

そこで、自分の考えを形にしたり対面のコミュニケーションができる研修を取り入れることでアフターコロナを意識した研修を目指しましょう。したがって、これからはオフラインでかつ均一的な新人研修を行いましょう!新人研修における教育手法は主に4つあります。順番にご紹介していきます。

1.グループワーク

「グループワーク」は課題のタイプに応じて「プレゼン型」と「作業型」に分けて行います。「商品Aの売り上げを向上させるための施策」など、与えられた課題をグループで議論し、最終的に結論を発表するのがプレゼン型です。作業型は「目の前にある材料だけを使って高い塔を作りなさい」といった課題に協力して取り組みます。

2.レクリエーション

参加者同士でペアになって相手を紹介する他己紹介や、本格的な脱出ゲームなどを行うのが「レクリエーション」です。内容は多岐にわたりますが、新入社員同士の団結力を高めたいときに効果的な方法です。

3.ケーススタディ

「ケーススタディ」とは、実際の業務で起こり得る事例について解決策や対処法を考える教育手法です。電話応対や営業方法など、座学で学んだ内容を実践形式で試すことができます。ケーススタディは後述する「ロールプレイ」と併せて実施される場合が多いでしょう。

4.ロールプレイ

実際の業務における役割をそれぞれ演じ、お互いの立場の考え方を学ぶために行われるのが「ロールプレイ」です。例えば営業職なら「取引先」と「営業社員」を演じ、ビジネスの場における振舞い方を学習します。ロールプレイを経験しておくことで、実際の現場で同様のことが起こった際、適切に対応できるようになることが特徴です。

今の新人教育の課題でもある対面力や実践・応用力は座学だけで終わらせないことが大切です。ステイホーム期間の巻き返しと実務への活用のためにも、新入社員研修には実践的な内容を盛り込みましょう。研修は、後のフォローまで含めた実施計画を立てることが大切です。自社の新入社員の特徴をしっかりと捉え、定着・戦力化に繋がる研修を検討していきましょう。

引用:https://hr-trend-lab.mynavi.jp/column/newcomers-and-young-people/4725/
引用:https://g-aca.com/column/archives/240

企業研修における人材育成


企業研修でよく言われる言葉で、教育と育成があります。同じような場面で使われるためあまり意識しないで使ってしまいますが、育成の意味は育て上げる事です。では企業が求める育成はなんでしょうか。

それは「自分で行動できる、企業の目的にふさわしい人に、企業に貢献できる人材を育て上げる」という事です。育て上げるのは企業だという事がとても大切です。企業が目指すべき人材育成は【人財】育成です。人は勝手に育つものではなく財産になるように育てるものと考えていましょう。

そのためには企業が目的を持って育てることが大切です。また育てる人材のポジションに合った教育と評価が必要です。評価も第三者が見て公平性が保たれていることが重要です。そして人材育成には企業側も一緒に育つ事が含まれています。以下に人材育成前に企業側としてチェックすべきことを9点挙げます。

人材育成の企業側チェック9点

人材育成の意味目的:何のために教育するのか、どのような人材になってほしいのか生産性の向上と経営戦略の反映だけになっていないか

人材育成像:教育後の姿は自社の課題に合った人材像になっているか

人材育成の時間軸:企業成長の4ステージ(創業期、成長期、安定期、衰退再成長期)と合わせてどのような人材を何時迄に育てるのか。

人材育成によるゴール:評価基準が明確になっているか

人材育成対象者の現状把握:人材育成対象者の現状レベルを把握しているのか

人材の管理:スキルマップは準備されているか

人材育成方法は考えられているか:eラーニング、OJTなど人材教育内容と手段が確保できているか

・人材育成の浸透:費用、効果などから計画が直ぐに変わって不信感を抱かせることはないか

・教育時間を会社(組織として)確保する体制になっているか

この様な企業側のベースをしっかり作ったうえで早速基本的な人材育成を進めましょう。

企業研修におけるチームビルディング


チームビルディングとは

チーム全員が一つとなり、主体性をもって同じ目標に向かって一丸となって進み、結果として個人    の能力を生かしチームとしての最大限の効果をだす。このようなチームを作ることがチームビルディ ングです。

チームビルディングの必要性

一人ではできないプロジェクトをチームで完成させる。これはチームビルディングならではの効果 で、企業として最大の効果を得るためにはチームビルディングが不可欠です。チームビルディングにはリーダーとチーム員同士が目的を共有し、信頼関係を築いていける環境が必要です。

チーム員同士でお互いを認め合い、高めあい、協力し合う体制ができなければ、プロジェクトの結果はクオリティが低いものとなってしまいます。チームビルディングは人材育成に不可欠な物になります。

 チームビルディングの成長段階

チームビルディングを進めるにはチームとしての成熟過程があります。アメリカの心理学者タックマンによる「タックマンモデル」です。

形成期)チームができたばかりでチームはただの集団とであり、機能していない状態です。まずはチームとしての目的、ビジョンを明確にし目標を浸透させ、チーム内の相互理解、コミュニケーションをとれるようにする必要があります。

混乱期)チームのビジョン、目標や達成までの解決方法、役割、責任などメンバー間での衝突や、対立などが起こりやすい時期になります。しかしこれはチームビルディングには必要な過程であり、この混乱期の衝突を避けると後々不満が蓄積し相互理解が行われず、お互いの能力、考え方に不信感が残ってしまう場合があります。なので必要な、衝突しなければ生まれない議論をすることが不可欠になります。

統一期)チームとして各自の役割や、強みなどお互いに理解が深まり団結が生まれてくることで一つのチームとして機能が生まれてきます。まだ完全な一枚岩にはなっていないところもありますが、チーム内のコミュニケーションを積極的に行い、より理解を深めてゆく段階になります。

機能期)チームとしての機能が作業を行う中で進められる段階になりチームとしての成果が上がってきます。人材育成の結果がでてくるところで、個人個人自分の役目、行動が促されお互いにサポートすることもチーム内に自然と行われます。チームとしての完成形になります。

この状態を維持できるように、リーダーが注意することはチーム内でサポートが必要になっていないか、見落としている問題はないかなど、チーム内の機能をチェックし問題に合わせて修正をすることが必要です。

散会期)プロジェクトの完成を迎えチームとしての役目を終えチーム解散の時期となります、ここで大切なことはチーム員一人一人が次の仕事への情熱を同じように持ち続けていることで、企業としての人材が【人財】へと成長していることが期待されます。

ポジションの違いによるチームビルディング

新人、若手のチームビルディングにおける人材育成の期待は主体性を持った人材になることです。まだ仕事に不慣れな部分はあるのですが、自ら積極的に行動し、分からない事を先輩に教わり、自分なりの理解と改善ができないかなど工夫を考え仕事を自分のものにしてゆくことを期待効果とします。

中堅社員においては、リーダーシップを発揮することを人材育成の期待効果としてあげられます。リーダーとなれば、部下からの不平不満も直接受けることも増え自分の考えだけでは進まない事も十分に経験しコミュニケーションの必要性とチーム管理をすることを経験することができます。

チームビルディング研修の期待する効果

企業にとって必要な最大限の効果を出すチームを築くにはリーダーがいかにチーム員の能力を引き出し、引き上げるか、そしてチームが主体性をもって行動できるように社内的なサポートを整えコミュニケーションをとることが重要であるかを学べ、リーダーとしての【人財】に自覚を持つことで企業としての人材育成が期待する効果になります。

企業研修における部下の育成


目的、目標の必要性

部下の育成を任されたポジションの方が最初に取り組むべき事は、部下とのコミュニケーションになります。人材育成対象の部下は、どのような人生観なのか、価値観をどの様に持っているか、趣味は、家族構成は、基本的な「人」としての考え方は・・・など、部下の事を知らない事には育成もできません。

まずはお互いの話ができる関係を作ります。そのうえで各個人ごとに考えている方向と会社の向かう方向を合わせてゆくことになります。ここで必要なことは明確な目的、目標(ビジョン)を持つことがとても重要です。会社という組織のビジョンをから個人の目標、目的へとつなぎ働く事へのモチベーションを上げるために最初にやるべきことになります。部下の育成として、個人、会社で充実した時間を過ごすために必要な事です。

共有すべきもの

国際的な企業では部下も上司も国籍が異なる場合が多々あります。努力と根性だけでは部下の育成はできません。ここで共有すべきは決めた目的、目標の定義を共有します。ニュアンスの違いや、理解の違いなど最初の方向にずれがあると後々大きな開き、誤解や認識違いが起こるので目的、目標を定義します。ここで陥りがちな事は数字的な定義が先行してしまい、本来目的とする部下の人材育成がおざなりになってしまう事です。

部下の成績が上がることは自分の管理数字が上がることなので一見数字が上がれば上手くいっているように見えますが、数字の管理は別で目標、目的に向かって何をマインドとして行動に移してきたか、その時に何を悩みどのように解決を導いてきたのか、部下と共有すべきことは物事の考え方、行動力、結果の検証、改善など自分で仕事を進める力をつけることで目標、目的に向かう事ができることを評価することを共有するのが、人材育成には大切なことになります。

このプロセス+結果評価は、企業としてはなかなか難しく、数字だけの評価のほうが管理職は楽にできますが、部下のモチベーションの持ち方を間違えてしまうと、企業として間違った育成をすることになるので、十分に共有すべき方向を企業として考えることが必要です。ただし共有の相手を明確にしておくことも忘れずに行ってください。

何のためにやるのか

部下の育成に言われることは、目標、目的、モチベーションなど一般的な事は数多く言われます。では何のために人材育成をするのか、あなたはなぜ会社から人材育成を頼まれたのかをもう一度考えてみましょう。時代の移り変わりに、あなた自身もアップグレードをしていますが、いずれ部下に仕事を任せてゆき企業としての更なる発展を進めなければなりません。

働く仲間や部下は、みな同じ価値観で働いているわけではありません。それでも企業は発展成長をすることが必要なため同じ目標、目的を共有し力を一つに纏め行動することが必要となるので、同じ価値観を持てるように部下の育成を進めることを行います。では生活も行動も異なる人々が簡単に企業研修などで同じ価値観をもてるのか、という基本的な疑問がでます。

では何のためにするのか。部下の育成はあなたの成長となります。あなたが成長することで企業も成長します、あなたの姿を見ている部下は目の前のヒーローを見ているのです。失敗も成長も同じように痛みも喜びも感じながらともに成長することを感じることで、仕事の大切さ、楽しさ、厳しさも同じように感じることで価値観を共有してゆくことができます。

これは部門が異なった場合でも、あなたの行動、発言によって部下が受け止める感情全てが部下の成長の糧となるのです。あなた自身の成長のためにも人材育成が必要なのです。

失敗した部下を怒るな

人材育成の現場では、部下を怒るなとよく聞きます。そして、続く言葉は起こるのではなく「叱る」というのですが、部下の育成を任されたあなたは叱っているつもりでも、部下から見れば「怒られた」としか受け止めません。

それでは、どのように叱ればいいのかと考えてしまいますよね。部下の育成はあなたの成長のために必要なことと考えればよいのです。ここで、部下に合わせた叱り方ではなく、人材育成として共通のやるべき方法があります。失敗の共有と失敗の原因を徹底的に考えることです。

目的があいまいだったのか、過程が迷走していたのか、情報伝達に不備があったのか、そもそもやる気がなかったのか、前回うまく行ったので成功体験的にやってしまったのか、日々変わる状況に対応できていなかったのか・・・徹底的に原因を分析することです。

複数の部下がいればこの失敗を共有して皆で考える事です。部下の育成に共有という言葉を使っていますが、部門内での共有も必要であることを最初に人材育成者は話をしておくことが必要です。失敗の原因をまず考えることで、怒ること、叱ることよりもっと重要な、失敗しない考え方で行動できる部下の育成ができます。

企業研修における自己啓発


自己啓発のメリット

人材育成という考えから見て自己啓発のメリットは従業員の成長が期待される効果です。自らが学びたいことを決め、時間目標を立てることで自己管理も身に付きます。学んだことのスキルアップだけではなく、自己の管理能力の底上げにもつながります。

自己啓発デメリット

企業として自己啓発に援助を行える場合もあります。場合によっては企業側が意図した結果が得られない時もあり、勉強はしたけど実践には・・・ということになります。結果にこだわるのも管理上必要ですがその様な時は、個人のやる気を促し、小さな成功体験、経験、知識を得ることの楽しみを人材育成の初期段階として考え、徐々に業務に生かせるスキルアップを指導してゆくことが必要になります。

自己啓発が合わない人も

企業として支援体制も整え、全員参加を促しても中には自己啓発を苦手とする人や、不要と考える人もいます。人材育成の一環として必要な事ではありますが、自主性を育てる事と考え、苦手な方にも何か前向きにチャレンジできる事に一度目をむかせることも必要ですが、何度もチャレンジだけの自己啓発は逆に会社を利用するだけの発想になる場合があるので気を付けて運営することが大切です。

企業研修におけるメンタルヘルス


最近、部下のようすが変だなと思うことはありませんか。いつも元気な部下が、最近口をきかなくなった、遅刻が多くなった、ミスが増えた、部下の様子が変、など違和感を持つようでしたら、もしかしたらそれは部下からのSOSかもしれません。

もしもの時のために、メンタルヘルス不調を未然に防ぐために、ストレスチェック制度も始まりました。管理者として、何をしたら良いのか、どこまで介入していいのか、これを機会に一緒に見ていきいましょう。

・ミスが多くなる

・遅刻が増えるなど、時間を守らなくなる

・何にも興味を示さなくなってきた・無口になった

・怒りっぽくなった

など当てはまるものがあれば、相手の心の元気が低下している可能性があります。そういった時は「調子はどう?」など、相手にさりげなく声をかけてみましょう。声をかけられない、自分はそんなキャラじゃない、と感じている管理職の方。メンタルヘルス不調者が職場から出ると、ほかのメンバーの負担になったり、部署のモチベーションが下がったりするなど、自分にとっても良くない結果を招くことになりかねません。

また、管理職は労働契約法上、部下の健康や安全に配慮する義務を負っています。では管理職が普段気をつけておきたい部下のメンタルヘルス管理とはどんなものでしょうか。

風通しの良い職場環境を目指す


メンタルヘルスにおいての風通しの良い職場とは、従業員同士のやり取りがしやすい雰囲気の良い職場のことです。あまりストレスなどが出ない職場は具体的には次のような特徴の見られる職場を指します。

人間関係が良好である

ストレスのない風通しの良い職場は、人間関係の摩擦が少なく、良好な関係を築いていけるのも特徴です。お互いの気持ちや意見を伝えやすく、理解しようという雰囲気があります。人間関係が良いと業務のコミュニケーションがスムーズに取れるだけでなく、チームワークも発揮しやすくなります。さらにうつ病対策にもなります。

自分の意見が言いやすい

組織の上下関係はありつつも、役職や立場によって発言を制限されず、自分の意見を言いやすい環境であるのも風通しの良い職場によく見られる特徴のひとつです。

また、メンバーが誰かに対して遠慮のない意見を出したとしても、それを責めることはせず、人間関係にも影響しないことをチーム全員で共有できている状態ともいえます。安全性が高いチームづくりをすることが重要です。

積極的なコミュニケーション

風通しの良い職場は、従業員同士のコミュニケーションが積極的に取られています。活発なやり取りがあり、年齢、立場などに関係なく従業員同士の連携も取れているのが特徴です。

具体的には、情報共有や報告・連絡・相談などが逐一行われています。そのため、心やストレスなどの悩みは比較的打ち解けやすい傾向にあります。また、人間関係にもあまり影響が出ないことも特徴です。

風通しの良い職場のメリット

「風通しの良い職場」のメリットとしてまず挙げられるのは、仕事のパフォーマンスがあがる点です。のびのびと仕事ができるため、やる気や達成意欲を維持しやすく、生産性も上がります。個々人が成果を出しやすくなり、メンバー同士のシナジーも生まれやすいため、組織の業績アップにつながるでしょう。

また、行き詰まったときでもすぐに周囲に助けを求められる、悩んでいる人に周囲も気が付きやすいなどメリットもあります。

風通しの良い職場のデメリット

では、「風通しの良い職場」のデメリットとは、どのようなものでしょうか。コミュニケーションが活発なため、おしゃべりが多い、内示や他のメンバーの家庭事情など秘密事項が噂になりやすいなどのデメリットが考えられます。

また、コミュニケーションが苦手な人には環境が負担になったり、周りの話し声が気になって業務に集中できず生産性が落ちたり、さまざまな意見が出て収集がつかなくなる、などのデメリットも挙げられます。

風通しの良い職場の作り方


上記のように「風通しの良い職場」には、メリットもデメリットもありますが、やはり風通しは悪いよりも良いほうを望む人が多いです。次に「職場の良い環境」を作る方法を解説します。

挨拶を習慣づける

挨拶は基本的なコミュニケーションの1つです。挨拶を交わすことは、相手も気持ちよくストレスなく、気分が良くなります。また、お互いに相手の存在を認識していますと伝え合う意味があります。挨拶を習慣付けることができれば自然とほかのコミュニケーションも取りやすくなります。

簡単なように見えますが、なかには挨拶を発しない・挨拶をされても答えない人もいるので、企業全体で習慣にすると良いでしょう。

デスク配置の工夫

手始めに、デスクの配置を工夫しましょう。業務の相談をしやすいようデスクを配置するなど、そこでおすすめなのが「フリーアドレス制」の併用です。気分転換やストレス発散をしたい、ブレストしたい、集中したいなどのニーズを満たせます。

フリーアドレスとは、オフィスの中で固定席を持たず、ノートパソコンなどを活用し自分の好きな席で働くワークスタイルのことをいいます。なのでストレスもあまり溜まりません。図書館の閲覧テーブルのように、個人席を決めず、空いている席を使うことで、ストレスなく、その時オフィスにいない人のスペースを有効活用できます。

アンケート、研修などの実施

社内の意識調査、アンケートを実施して、「従業員の本音」を吸い上げたり、研修を実施してメンバー間のコミュニケーションを促進したりするのも、職場の風通しを良くするのにも役立ちます。仕事だけでなくプライベートでの関わりも、「風通しの良い職場」作りに役立ちます。

たとえばマラソン部など定期的に集まって交流を楽しむ部活動なら、普段関わりの少ない他部署のメンバーとも打ち解けられます。また、歓送迎会、達成会、納会などの食事会に補助金を出して、参加率アップを図るのも一手でしょう。

風通しの良い職場を作る時に気を付けるポイント


最後に「風通しの良い職場」を作るときの気を付けるポイントをいくつか紹介します。

緊張感が欠けないような意識を持つこと

そのためには、風通しを良くすることだけではなく、組織が一体となって何を目指すのか「ビジョン・ミッション・バリュー」を共有してください。それらができることで士気が高まり良い緊張感を維持できるでしょう。

コミュニケーションが苦手な人や集中したい人などへの配慮

誰もがコミュニケーションを図りたいとは限りません。なぜならコミュニケーションが苦手な人にとってはかなりのストレスを抱えているかもしれないからです。個々人が「お互いを尊重しながら組織全体の雰囲気をより良くする」という意識を持つことが重要です。

従業員全員が快適に感じられる環境づくりを意識する

従業員全員がコミュニケーションを得意としているタイプとは限らず、苦手と感じる場合があります。苦手意識がある従業員を無視するような形で、コミュニケーションの活発化を目指してしまうと、そのような人にとってはストレスが溜まりやすく、逆に居心地の悪い職場となってしまいます。

まとめ

「風通しの良い職場」とは、従業員同士が発言しやすく、コミュニケーションが活発で、人間関係が良好でありストレスフリーな職場を指します。「風通しの良い職場」には、仕事のパフォーマンスがあがる、悩んでいる人に気付きやすいなど、たくさんのメリットがあります。

しかし、工夫しないと人間関係に疲れる、ストレスが溜まる、緊張感が欠けたり生産性が落ちるなどのデメリットが生じてしまいます。「風通しの良い職場」を作る際には、組織全体がよい緊張感をキープできるように配慮したり、ストレスが溜まらない環境づくりや、フリーアドレス導入、メンター制度導入、チャット活用など、さまざまな方法を組み合わせることが大切です。

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