働き方改革や新型コロナウィルス感染症の影響により、最近では研修の在り方も変化しオンラインで実施する企業が増えてきました。今回は、オンライン研修を成功させる秘訣や必要な事前準備を紹介していきます。
1.オンライン研修とは
オンライン研修とは、これまで対面で行っていた研修をオンラインかつ非対面で行う手法を指します。オンライン化することで受講者が自宅など離れた場所から研修を受講できるため、新型コロナウィルス感染症対策の一環として取り入れる企業が多いですが、その他にも「開催コストの削減」「会場までの移動時間短縮」「リモートワーク環境化での実施しやすさ」などメリットが多く存在します。オンライン研修には主に3つ形式がありますが、詳しい内容は以前のブログでご紹介していますのでこちらをご参照ください。オンライン研修 とは?人事から見たメリットとデメリット (sophiacommunications.net)
2. オンライン研修で必要なツールと準備
オンライン研修を実施するにあたり用意しておきたいツールと、その事前準備についてご紹介します。
① インターネット環境
オンライン研修において、インターネット環境は最も重要です。インターネット環境が悪いと、途中で画面や音声が止まってしまい研修をスムーズに進行することが出来ません。オンライン研修は様々な場所から参加することが出来るというメリットがありますが、その一方で、受講する場所によってインターネット環境も異なるため、研修を開催する側と受講者側、双方ともにインターネット環境に問題ないかを事前に確認する必要があります。
また、インターネット環境が十分でない場合、事前に別途デバイスを用意したり、有線LAN、無線LANなどを準備して研修を受講するのに必要な回線速度を確保することが重要でしょう。
② 電子端末・マイク・カメラ
オンライン研修を受講するにあたり、パソコン、タブレット、携帯等の電子端末も必要です。研修内容や、利用する研修会社によっては推奨する電子端末が異なる場合があるため、予め使用する電子端末の確認を行う必要があります。
また、ほとんどの電子機器にマイクとカメラの機能が搭載されていますが、それらに不具合がないか一度テストを行うなど事前に確認することが必要です。もし、不具合があったり画質、音質に問題があった場合には、予め外付け出来るマイクやカメラを準備しましょう。
③ コミュニケーションツール
オンライン研修を実施する際は、受講者に予め必要なコミュニケーションツールのダウンロードなどを指示する必要があります。代表的なツールとしてzoomやGoogle meetなどがありますが、ほとんどが無料で利用することが出来ます。開催者は使いやすさや性能などを比較して選びましょう。
④ 受講場所
研修の内容にもよりますが、受講者同士がディスカッションをしたり受講者が話す機会がある研修の場合、マイクをONにすると周囲の雑音が入ってしまい進行の妨げになる場合があります。集中して研修に取り組める環境(雑音が入らない静かな受講場所)を準備することも大切です。また、大人数が同室で受講する場合、ハウリングが発生することもありますので注意が必要です。

3. オンライン研修を成功させる秘訣(企画編)
前述のとおり、今まで対面で実施してきた研修をオンライン化することにより様々なメリットがあります。ただ、一律に全ての研修をオンラインに切り替えてしまうことは推奨しません。研修の目的や内容によって、オンラインに切り替えることでせっかく企画した研修が台無しになってしまうこともあるのです。それでは、どのように見極めれば良いでしょうか。
研修目的の明確化と研修内容の決定
まず、「研修の目的」を明確化することが大切です。「知識の習得」「マインド醸成」「内省力の育成」など研修の目的は様々です。まずは実施する研修の目的を明確にし、対面式での実施とオンラインでの実施、どちらが適しているかを見極めましょう。
次に、研修の目的を踏まえて「研修でどのようなことがしたいか」を考えます。例えば、「受講者間の交流の機会を作りたい」「効率よく知識を身につけさせたい」「自分のキャリアを考える場にしたい」などです。例えば、ここで実技を伴うようなことがあれば、オンラインには向いていないですよね。
最後に、「研修内容」を具体的に決めていきます。「受講者間の交流の場にしたい」のであればディスカッションテーマを設置して意見交換の場を設けたり、「知識を身につけさせたい」のであれば知識確認テストやクイズを取り入れたり、復習や反復学習が出来るe-learning形式を取り入れても良いかもしれません。また、「自身のキャリアを考える」であれば、最後に自分の考えをアウトプットする場を設けたり、と色々考えられるでしょう。
ただし、オンライン研修は、「集中力の持続」が対面よりも困難と感じる受講者が多いとされています。そのため、長時間一方的な講義が続く場合は注意した方が良いでしょう。適宜休憩を挟んだり、途中でアイスブレイクを入れるなど、受講者を飽きさせないような工夫をすることが大切です。