昨今の新入社員は2000年代生まれとなりました。
Z世代と呼ばれる彼らに今までと変わらない新人研修をしていても、価値観の相違から十分な結果は得られないでしょう。
Z世代側からも共感を得られる研修へとアップデートできる企業こそ、時代の流れに乗って更なる成長が期待できるはずです。
Z世代以前の企業研修「新人研修」とは
新人研修の目的
企業研修として新入社員が最初に受ける研修は、新人研修と呼ばれます。一般的に、3~6ヵ月の期間が設定されることが多いです。
「新規採用した人材」から「その企業の重要な人財」へと成長してもらうための第一歩として位置づけられます。人事部付から各部署へ巣立っていく前に、社会人として、一社員として身につけてほしい内容が盛り込まれていると言えるでしょう。
一方、中小企業では新社会人向けの研修全てが、配属現場でのOJTに委ねられている場合も少なくありません。
企業の新人研修の目的は主に、以下に集約されます。
1 学生気分から、社会人として責任をもって勤務するためのマインドセット(意識改革)
2 自社の業界について、また、企業独自の特徴やルールを知ること
3 自社への帰属意識を高めること
従来型の新人研修
目的達成のために、多くの企業は、あらかじめルーティン化したメニューを持っています。入社時の新入社員の能力や個性のバラつきを読み取り、その平均値を底上げするイメージで、その年次ごとに重点を見直した研修を設定することが課題でした。
またその手法は、一室に集めた座学、その中でのグループワークなど、新入社員にとっては受け身の授業のような形式が主流でした。大量採用が主だった時代には、それが効率的でもあったのです。
入社時から形成する自社への帰属意識・忠誠心の形成・同期との絆も、無視できません。ゆくゆくは、組織に馴染む過程で培われていく、業務遂行上の重要なソフト面であるからです。
株式会社i-plug新入社員研修の目的とは?目的の決め方や代表的な研修内容を紹介
新入社員が受ける新人研修の内容例
社会人としての基礎知識を習得させるため、上記の1~3の目的の為に実際にはどのような研修が広く行われているのでしょうか。
1 新社会人としての意識改革のために
- ビジネスマナー(挨拶/名刺交換/電話や来客・訪問のマナー/メールマナーなど)
- ホウレンソウの重要性
- 基本的なOS操作
- コンプライアンスについて
2 自社や業界への理解を深めるために
- 企業のパーパス・ミッション・ビジョン・バリュー、沿革などの理解
- 各部署の業務内容についての講義、利益構造についての理解
- CSRについての理解
- 業界の構造の理解
- 取引先との懇親会
3 組織になじむために
- 親睦会・レクリエーションイベントなど
新入社員だった時期は年々過ぎ去っていきます。終身雇用の時代が終焉を迎え、スタートアップを中心に社員研修の形態は様変わりし始めていました。たとえば、キャンプでのチームビルディングや、ヒッチハイクをさせてコミュニケーション能力の開発を図るなど、ユニークな手法を試みる企業も増えてきていたのです。
そのような中、コロナ渦で、企業側は採用活動を含め柔軟にオンライン対応に切り替える必要に迫られました。一方、新入社員側のバックグラウンドも変化しています。
企業研修としての新入社員教育の根本的な意義の見直しや、オンラインとリアルの良いところ取りをする仕組み作りが急務と言えるでしょう。
昨今の新入社員であるZ世代に合った研修モデルを刷新していくことが、企業の成長につながるのではないでしょうか。
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